メルボルンが寒いと文句がある人はメルボルンに住むべきじゃない
最近見かけたSNSの投稿に、
みたいな事を言っている投稿がありました 。 多少、過激発言なのかもしれませんが、
といった事も書いてあって、まさに同感でしたw。
グレート・オーストラリアン・バイト
気象予報士の資格など持っていないので各地の天気をすべて把握している訳ではありませんが、オーストラリアだと基本、ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州の境目よりも緯度が南にあると偏西風の影響で天気は西から東へ(➝)と流れます。
なので各州の天気予報を見ていると、大雨や熱波が、ウエスタン・オーストラリア州 (主にパース周辺) からサウス・オーストラリア州へ、そしてビクトリア州へと西から東へ移動していくのがなんとなくわかると思います。
オーストラリアの内陸には砂漠があるのでそこで温まった風が東へと吹くのに加えて、ビクトリア州の西の海岸線に面して、『グレート・オーストラリアン・バイト (Great Australian Bight)』又は、「グレート・バイト」と呼ばれるの海域があります。 (Googleマップでは翻訳されて「グレートオーストラリア湾」になっています。)
このグレート・バイト上には高気圧が良く張り出すので、西から流れてくる低気圧や南極からの海流による冷えた空気を高気圧の南側 (地図の下方向) に押しのけます。 この影響で、サウス・オーストラリア州 (又は、南オーストラリア州)では晴天が続くことが多いのと、夏場は熱波が数日間続くことが普通みたいです。
一方で、メルボルンがあるビクトリア州ではどうかというと、メルボルンは緯度的には割と南に位置するので、グレート・バイトの高気圧が活発になって東に張り出したり、別の低気圧に押されてビクトリア州の方向に押されて来くれば内陸からの暖かい気流の影響で晴天になりますが、そうでない場合は西から流れてくる低気圧や南極からの冷たい海流の影響を受けるので、低気圧の寒冷前線が伸びて来れば、気温も下がり雨が降ります。。
別の言い方をすれば、メルボルンは内陸からの暖かい空気と、南極からの冷たい海流が直に交じり合う境界線に位置する為、気圧や風の流れで気候が変動し易いという事ですね。
そもそも、メルボルンの天候は変わり易いのが有名で「Four Seasons in One Day (1日で4季が訪れた)」という表現もあり、ニュージーランド出身のFinnブラザーズのバンド「Crowded House (クラウディッド・ハウス)」による歌まであります。
南極からの冷たい風??
因みに、上の衛星画像は、オーストラリアの気象庁のBoM (The Bureau of Meteorology)からの画像で、日本の気象庁の気象衛星、「ひまわり9号」からのデータを使っているそうです (引用「BoM: Satellites」)。
オーストラリア周辺の天候が詳しくわかる様にフォーマットされているので、南極がどこに位置するのかわからず、冒頭の「南極から冷たい風が吹く」という表現がちょっとモヤモヤしたので、他の衛星画像サイトを探したところ、『Zoom Earth』というサイトの衛星画像だと広域の地図が (多分、メルカトル図法で) マッピングされていました。
BoMの衛星画像と比べてみると、なんと、BoMの衛星画像に写っている部分の少し下が南極のようです。 なので、BoMの衛星画像で、もしも、画像下部からの雲がメルボルンまで伸びていたら「南極から冷たい風が吹く」という表現は正しいのかもしれません。。
また、Zoom Earthの衛星画像だと、マウスをマップ上で動かすと緯度と経度が左下に表示されますが、衛星画像が途切れる南極大陸の端っこ付近で、南緯65度、メルボルンのある位置では南緯38度位となっていました。
緯度だと30度くらいしか違わないので、メルボルンが寒いと感じられてもそれは当たり前の事の様な気がします。。。
そう考えると「メルボルンが寒い」と言って文句ばかり言っているような人がいたら、真剣に別の場所に移動を考えるのも一つの方法ではないでしょうか。(メルボルンが暖かくないといけないと思う方がおかしいはず..)
あとがき
冒頭のコメントを見かけたSNSでは良く「メルボルンが寒い」という、多分、日本人か日本語が流暢な方のポストが流れてくるのでそれに対抗した形の投稿になります。
別に雪が降るほど寒い気候でもなく、適切な服装でもすれば良いだけで、住んでる人間からしたら不快なポストでしかないです。

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