『ソルタナ (サルタナ)』と『レーズン』と干し葡萄

高校生の時はオーストラリアの高校の寮に入っていたので、学期間中はほぼ毎朝、シリアル (Breakfast Cereal) とトーストに、メインとしてソーセージと目玉焼きとかベイクトビーンズとかを加えてといったメニューでした。

その為なのか、シリアルだけの朝ごはんでも、お腹が満たされるのであれば何とも思わず、時々、『朝はどうしても暖かいご飯を食べないと気が済まない』と、日本人も含むアジア人の友達が言い出したとしても、個人的には全く同情出来ずに「準備、面倒くさそう。。。頑張れw」と思ってしまいます。


朝ごはんはシリアルだけでも大丈夫?

Weet Bix
Weet-Bix

Bran Stick
Bran Stick (矢印)

『シリアルだけの朝ごはん』と言っても、個人的にする食べ方としては:

  • サクサクしていて美味しいですが、トウモロコシを潰して焼いただけの「コーンフレーク」だけとか、
  • 同じ様に小麦を焼いた物をバー状に固めたオーストラリアとかニュージーランドで食べられている「ウイートビックス (Weet-bix)」だけとか、
  • 小麦を精製した時に出る麬 (ふすま)をスティック棒に固めた、一見、魚の糞みたいな「ブラン (Bran Sticks)」だけ

といったシンプルな味の物だけを牛乳と一緒にガツガツ食べるという訳ではなく、小麦のフレークにナッツや干しブドウなどが混ざったタイプのシリアルに砕いたウイートビックスを混ぜてその上にヨーグルトをかけて、牛乳を入れ、あればバナナとかブルーベリーをトッピングといったのが普通です。(あくまでも個人的な好みです。)

色々混ざったタイプのシリアルの箱
最近食べているシリアルの箱の写真。。

シリアルに入っているソルタナ (レーズンではない)

オーストラリアのスーパーなどで市販されているシリアルミックスに高い確率で入っているのが『Sultanas (ソルタナ)』ですが、日本語で言う『干しブドウ』の一種です。

日本だと『サルタナ』とカタカナ表記するみたいですが、あまりにも英語の発音と離れているのと、オーストラリアに来る前には馴染みがなかった単語なので今回は『ソルタナ』で通させてもらいますw。

オーストラリアの高校の寮の朝ごはんで干しブドウ入りシリアルを食べながらの友達との会話中に『レーズン』と言ったところ、友達にそれは『ソルタナ』だと注意(?)されたので、オーストラリアの英語は『干しブドウ』は『レーズン』でなく『ソルタナ』なのだと思っていました。

しかも、干しブドウではなくて、果物のブドウでも緑の物は『ソルタナ』とオーストラリアでは呼ぶのでものすごくアバウトな呼び方をするのだと勝手な理解をしていました。

そして、最近スーパーで干しブドウを買いに行った時に、
ドライフルーツの棚での衝撃な発見が。。

Sultanas and Raisins
左がソルタナで、右がレーズン

『ソルタナ』と『レーズン』は同じ物ではない😲😲😲


ソルタナとレーズンの違いは?

簡単なネット検索によると、干しブドウの場合だと、

  • 色の薄いのが「ソルタナ」
  • 濃いのが「レーズン」

となるみたいですが、ややっこしい事に、ブドウの品種でも「ソルタナ」と呼ばれる品種があります。

(でも、流石に「レーズン」という品種はないみたいです😅

もう少し検索

クリスマスシーズンの西洋のデザートとして『クリスマスプディング (Christmas Pudding)』や『ミンツパイ (Mince Pie)』といったドライフルーツが沢山入ったレシピがありますが、「レーズン」と「ソルタナ」では色合いや、味の浸み込み具合などでも違いがあると、ブドウではないのですが『Currants (カラント)』も加えて三つのドライフルーツを比べている記事もありました。

オーストラリアの干しブドウを売っている会社のページにはどうやってソルタナが作られるかが簡単に説明されていて、サルタナはブドウを単に干すのではなく、茎についたままのブドウに『ドライイング・オイル (Dying Oil)』を掛けて乾燥し易くするそうです。

ドライイング・オイルって何ですか😕😕??


もっと検索

Grape Dipping Oil』とも呼ばれるみたいですが、1920年代にオーストラリア伝わったトルコで使われていた乾燥方法で使われる乳液状のアルカリ性の液体で、当初はオリーブ・オイル炭酸カリウム(K2Co3)の液体 (灰汁と同等?)を混ぜた物だったそうです。

現在ではオリーブ・オイルの代わりに、脂肪酸 (fatty acids)とオレイン酸 (oleic acid) を混ぜたエステル化合物の液体が使われるそうですが、化学には強くないので、もう何の事だか。。(水溶性の液体と混ぜて乳化出来る脂肪分って事ですよね?)。

ブドウの房の表面についている油分がブドウの乾燥を妨げているそうで、このドライイング・オイルを掛ける事によって (多分表面の油分を取り除く役割があると思われますが)、乾燥が早くなるそうです。

無処理のブドウだと乾燥させるのに4~8週間かかるのが、この方法で1~2週間に短縮されるそうです。(工場の機械で乾燥とかではなく、天日干しだそうです。)

また、比較的早く水分が蒸発するので急に糖分が上がるので、仕組みは良く分かりませんが、色が黒くならず、薄い色の干しブドウが出来るみたいです。

反対にレーズンはブドウを単に乾燥させただけで時間が掛かるので、無添加の干しアプリコットと同様に酸化で色が黒くなる様です。


まとめ

オーストラリアに来て以来から最近までの長い間、シリアルに入っている干しブドウや緑のブドウが「Sultanas (ソルタナ)」だと思っていましたが、干しブドウに関しては作り方によって『ソルタナ』か『レーズン』になるとは意外でした。

因みに、オーストラリアのスーパーで見かけるシリアルでも、干しブドウ入りのシリアルは、ソルタナ入りがほとんどで、レーズン入りも探せばありますが、明らかに少数派になります。

世界的に見てもブドウの生産量の多いオ-ストラリアでは短期で商品化出来る『ソルタナ』が主流なのだと思われます。

👆上のスーパーの棚の写真でも確認できると思いますが、ソルタナは1キロ7.30ドルなのに対してレーズンは1キロ10.50ドルというちょっと高めの値段がついています。(写真のレーズン(右)ですが、左のソルタナと比べてそんなに色が違わない様にも見えますが。。レーズンの方が高値なだけの事はあるのですかね?😗)


PS

今回検索をしていて、US英語のページでは『Sultana Raisins』とか 『Currant Raisins』といった表現をしていてどちらもレーズンの一種という感じでした。

反面、オーストラリアでもそうですが、UK英語では『Sultanas』、『Currants』でレーズンとは後に付けない場合がほとんどです。

US英語だと、『Raisins』は干しブドウ一般と干しカラントを指す意味で使われて、UK英語だと自然乾燥で黒くなった干しブドウを指すということですね。


追記

花粉症さんからオーストラリアのスーパーに置いてあるレーズンの『粒が大きい』のというコメントをいただき、オーストラリアのレーズンとソルタナ(サルタナ)の違いに新たな謎が😄😄。。

Sunbeam Australian Raisin & Sultanas

オーストラリアでスーパーで良く売っているSunbeam社の箱入りレーズン(左)とソルタナ(右)の側面画像ですが、レーズンの箱には:

We selected only the Waltham Cross and Lexia grape varietals. These berries are the largest in size and have a muscat taste that gives your ...

と書いてあって、この会社のレーズンは粒が大きめのブドウの品種の『Waltham Cross』と『Lexia』だけを使っているみたいです。

レーズンは大きめが良しという事なのでしょうか??

(箱の前面の写真も撮るべきでしたw)


コメント

  1. 私はてっきり、緑のブドウを干したのはサルタナ、赤いブドウを干したのがレーズンかと思っていました。
    こちらでは、多少安いから、とずっとサルタナを買っていたのですが、先日コールズブランドのレーズンを買ってみました。すると、粒が大きいんですよ。日本のレーズンとは明らかに違うものでした。 イギリスに住んでいたときは、レーズンもサルタナも値段はたしか同じだったし、大きさも同じでした。 
    たまたまコールズのものが違うブドウを使っているのか、はたまたオーストラリアではレーズンとサルタナでは別の種類を使っているのか、は不明です。ただ、私の買っているフルーツナッツミックス(ヨーグルトに混ぜている)はレーズンが入っているのですが、やはり大きいです。

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  2. コメントありがとうございます。日本に住んでいた時はレーズンの類が嫌いで好んで食べていなかったので呼び方を知らな方のですが、やはり「サルタナ」なのですね、笑。

    作り方で名前が違うと結論付けましたが、色とか大きさとかやはり見た目で判断できないと納得が付きにく気がします。オーストラリアのレーズンはそこまで色が濃くない物も多いので大きさを変えて差別化をしている?かとも勝手に想像しています。

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