洗面台の水栓のスピンドル交換 (オーストラリア版)
オーストラリアだと家の電気と上下水道は免許がない人が勝手にいじってはいけないのですが、州によっては例外もあって、ビクトリア州やNSW州では電球の交換、水栓の部品交換程度ならば個人で出来る範囲だそうです。
オーストラリアで一般的な水道の水栓
【図解】オーストーラリアで一般的な水道の水栓 (元画はオーストラリアのDIY量販店、バニングスで良く見かける水道修理用の部品を販売しているfix-a-tapのサイトのページからお借りしました。) |
👉はオーストラリアで一般的な水栓(Tap)の図解ですが、各パーツの役割は次の様になります:
- ボタン (Button): ハンドルをスピンドルに固定。
- ハンドル (Handle): ボネット内にネジ込まれるスピンドルを回転させます。
- フランジ (Flange): ボネットの上に被せる飾り。
- ボネット (Bonnet): この部分を流し台のネジ山にねじ込んで固定します
- スピンドル (Spindle): ボネット内にネジ山にはまって、ハンドルを回転すると上下に動くので、それでジャンパー・バルブをシートに押さえつけて水の流れを調節します。
- オーリング (O-ring): スピンドルとボネットの隙間を埋めて水漏れを防ぎます。
- ワッシャー (Washer): 流し台とボネットの間に挟まれて水漏れを防ぎます。
- ジャンパー・バルブ (Valve): スピンドルによってシートに押し当てられて、シートを通って出てくる水の量を調節します。
- シート (Seat): 水道管の先端部になります。 図解のシートは摩耗してしまった先端部を補強する部品になります。
このタイプの水栓の仕組みとしてはシートの中央に水道管の穴がくるので、ハンドルを回してスピンドルでジャンパー・バルブを下のシートに押し付ける事によって、穴を塞いで水の流れを調節します。 普通だと時計回しにハンドルを回すと水栓が締まって水が止まって、半時計回しだと水栓が緩んで水が出ます。
なので、ジャンパー・バルブとシート部との当たり面が平らでないと水漏れの原因になって、 特に、水栓を必要以上に強く締め過ぎるとジャンパー・バルブとシートの両方かどちらかが変形してしまい、隙間が出来て、水漏れの原因になります。
洗面台の水栓のジャンパー・バルブと水漏れ
眠っていたジャンパー・バルブなのでパッケージには年季が入ってます。 |
住んでいる家の水栓のほとんどは上記のタイプの水栓 (ジャンパー・バルブがあるタイプ) なのですが、ジャンパー・バルブは「軽く締まる」というのが売りのHydrOSealのバルブに交換して使っています。 このジャンパー・バルブだとシールに当たる部分にゴムの輪が付いているので、ハンドルの回転がすごくスムーズです。
でも、洗面所の洗面台の水道に限っての話なのですが、水栓を締めてもポタポタと水が出てくる様になってしまう事がしばしばあります。。 そうなると家の同居人さん達は「これでもか」とばかりにもっと強く締めてどんどん水漏れが酷くなります😇。
そこまで頻繁には起こらないので、多分、来客とかで洗面所を使う人の中に何故か蛇口のハンドルを必要以上にきつく締めてしまう人がいるみたいで、😇😇 こういった場合は、新しいジャンパー・バルブに交換するのと、シートを削って平らにする工具でシートの面を補正する必要があります。
実は、HydrOSealのジャンパー・バルブ本体が金属(真鍮)で出来ているので、必要以上に強く締めた時に、ゴムの輪の無い金属の部分が反対側のシートの面に強く押し付けられてシートが変形して溝が出来てしまうので水漏れが発生し易いみたいです。
HydrOSealは普通に使う分には全然問題の無い商品なのですが、必要以上にきつく締め過ぎる人がいると寿命がすごく短くなるので、残念ながら来客がある洗面所にはちょっと不向きなのかと思い、今までは、強く締める来客があるごとにHydrOSealではない、違うタイプのジャンパー・バルブを試してきました。
『Hevy Duty』と書かれたタフ仕様のプラスチック製のジャンパー・バルブに交換した時は、なんとも滑りが悪く、それで同居人さんが日常に締める時の力が強くなるというかw そのバルブは数か月で他のタイプのジャンパー・バルブと交換となりましたw。
そんなこんなで、納得の行くジャンパー・バルブが見つからなかったのですが、去年末、セラミック・ディスク内蔵のスピンドルに出会いました。
セラミック・ディスク・スピンドル
DIY量販店とかで『スビンドル』という名前で売られていますが、専用のボネットも付いて来るのと、上の図解の水栓の場合は既存のボネット、スピンドル、オーリングとジャンパー・バルブの四部品をこの「セラミック・ディスク・スピンドル」と交換する事になるので、ほぼ水栓の内部構造のすべてになります。
上がセラミック・ディスク・スピンドルで、下が従来のスピンドルになります。 (セラミック・ディスク・スピンドル専用のボネットは画像内には写っていません。) |
このタイプのスピンドルにはセラミック・ディスクを使った水量を調節する仕組みがスピンドルの一部として内蔵されていて、ジャンパー・バルブが必要無いので強く締めつける事による水漏れの問題を気にしないで済みます。
ハンドルが回る範囲は、市販で買える物で1/2ターン(180度)なり1/4ターン(90度)なりがあって、それ以上は回転しません。 また、水を止める際に回すハンドルの方向も時計回りか反時計回りと選べて、昔は洗面台の蛇口のハンドルは時計回りで開くのが一般的なデザインでしたが、最近だと左右でハンドルを違う方向に回すデザインも流通しているみたいです。
オーストラリアのDIY量販店チェーンのバニングスだと、旧式のスピンドルは約$10 (~700円@豪$1=75円換算)で、セラミック・ディスク・スピンドルは約$20になります。 値段的には倍ですが、メンテナンスの面を考えると意味のある$10ではないでしょうか。
因みに、Linkwareという会社が3/4ターン(270度)というスピンドルを販売しているみたいなのですが取り扱い店に行ってみたら、在庫はなく、特注で1つ$70+GSTぐらいと言われて、バニングスで手に入る1/2ターンの物の定価の3倍もしました。 Linkware社の宣伝文句によると、3/4ターンだと、他社の製品より回転の範囲が広いので水量の細かな調整が可能なのだそうです。
取り付け
水栓のスピンドルの交換は『Minor tap repair』という事で、ビクトリア州の規則では水道工事の免許が必要が無いのでDIYでスピンドルを交換しました。
本当はLinkware社の3/4ターンのスピンドルが欲しかったのでですが、注文してもいつ入荷するかは不明と言われて、値段も高かったので、今回は洗面所の水栓をバニングスで売っていた時計回り1/2ターンのスピンドルに交換してみました。
交換して直ぐ感じたのはハンドルの動きが全然スムーズで、古いタイプのスピンドルだと水が止まる近くになると回すのに少しだけ力が必要になる場合がありますが、付け替えたスピンドルではそういった事もありませんでした。
最後に
新しいスピンドルに交換してからは今の処、ポタポタ水漏れという事もなく、快適に使えています。
最近建った家やフラットならセラミック・ディスク・スピンドルが既にインストールされているかもしれませんが、そうでない場合で、ハンドルを回すタイプの水栓で水漏れに悩まされている場合にはお勧めです※。
ハンドルで操作するタイプの水栓に既にセラミック・ディスク・スピンドルがインストールされている場合は、ハンドルの回転範囲が360度以下(90度、180度、270度)なので、ハンドルがそれ以上回る場合は古いタイプのスピンドルがインストールされていると考えて良いと思います。
※水道の元栓を締めたり、グリスや工具とかが必要になるので慣れていない方は業者の人(Plumber)に付け替えを頼む事をお勧めします。
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