脱ロックダウンに向けての4フェーズの国家計画、留学生受け入れと日本帰国

以前、📄『COVID19地域感染0の街 (?)』で、2ヶ月近くの間COVID19の市中感染がゼロだったメルボルンで、他の州経由で海外から帰国した男性が、実は他の州での2週間の隔離ホテル滞在中に他のゲストからのCOVID-19に感染していて、メルボルンに帰ってからの市中感染が確認され、からメルボルンがロックダウンという記事を書きましたが…


メルボルンのロックダウンのその後

結局、5つの理由以外での外出を禁止するロックダウンが2週間が続きましたが、メルボルンでは毎日数多くのPCR検査が実施され、感染経路が不明な市中感染が確認されなくなった為、ロックダウンがに少し緩和されて、家から半径25キロ以内であれば自由な外出が可能になりました (👉📃付けの州首相臨時代理の会見、 📃付けのABCニュース)。 その後も感染経路が不明な市中感染も無く、緩和から1週間後のには25キロの外出規制も廃止になりました (👉📃付けの州首相臨時代理の会見)。 その後も、徐々に、屋内/屋外で一度に集まれる人の数の上限の緩和などが進んでいます。

このロックダウンの引き金となった、他の州での隔離ホテルから持ち込まれたCOVID19はカッパ(κ)株だったという事ですが、ロックダウン前のにNSW州での休暇旅行からメルボルンに帰って来た家族から、ロックダウン後のにPCR検査の陽性結果が出て、ゲノム検査の結果、この家族が感染していたCOVID19ウイルスはカッパ株ではなく、感染力が高いとされるデルタ(δ)株と判ったそうです (👉📃付けのABCの記事、 📃付けのSMHの記事)。

当初はこの家族が感染していたデルタ株のウイルスがどこからどう来たのかが謎で、感染経路の調査チームが必死になっていたみたいですが、ゲノム解析の結果、にメルボルンの空港で入国したスリランカからの帰国者からのウイルスのゲノムと一致したそうで、NSW州からではなく、その帰国者からどうにか誰かを経由して上記の家族に移ったのだろうという事で片付けられたみたいです。。。 (👉📃付けのニュースディリーの記事、 📃付けのSMHの記事) 😩😩

という事で、現時点でメルボルンはロックダウン後の規制の段階的な緩和中となっています。


シドニーのロックダウン

場所が変わって、シドニーでは約2週間前のに国際線の添乗員などの送迎ドライバーがデルタ株に感染していたのが確認された後 (👉📃付けのNSW州政府のコロナウイルス警報、 📃付けのIllawarra Mercuryの記事)、 NSW州政府はロックダウンを直ぐには発令せずに、シドニー近郊でマスク着用の義務化などの感染防止の規制をいくつか発令していました (👉📃付けThe Shotの記事、 📃付け9News、 📃付けBloombergの記事)。

でも、結局、新規の感染者数が増え続けて、からシドニー中心部の最低1週間のロックダウンに踏み切りましたが (👉📃付けNSW州首相の会見)、 翌日には対象がNSWの広域になり、期間もまで延長になってしまいました (👉📃付けNSW州首相の会見)。


NT、WA州とQLD州でのロックダウン

これに重なって、オーストラリアの地の地域でもCOVI19の市中感染が確認されて、街のロックダウンが実施されました。。

どれも、市中感染確認直後のサーキットブレーカとしての対処で、短期のロックダウンで、現在時点では終了しています。


日本と違って、現時点ではオーストラリアの州とテリトリー政府はCovid19の感染対策として根絶(Elimination)の方針をとっているので、国外からの人の流れを厳しく制限、入国者の2週間の隔離を義務化しているのと、一度、Covid19の市中感染が確認されると感染経路の確認、濃厚接触者の隔離、PCR検査を割と徹底して市中感染の拡大を食い止めています。

その為か、2021年はオーストラリア国内でのCovid19による死者は、海外から帰国後に隔離ホテル滞在中にCOVID19感染が確認されて亡くなった80歳の男性1名 (👉📃付けSBSニュース) を除くとゼロとなっています。

でも、ロックダウン毎にビジネスが閉鎖になるので経済が打撃を受けるので、メディアでロックダウンに対する不平も頻繁に報道されています。。


4フェーズのCOVID19対応計画

ナショナルキャビネットはに開かれた45回目の会議で、A、B、C、Dの4つのフェーズ(段階)からなる国家計画を打ち出しました。 (👉📃付のオーストラリア首相の会見)

National plan to transition Australia's National COVID-19 Response (02/Jul/2021)
National Plan to transition Australia's National COVID Responseより

フェーズ A: ワクチン接種、準備と試運転 (Vaccinate, prepare and pilot)

市中感染を最小に抑える為の抑制

次の様な対策を含む:

  • 全てのオーストラリア人が必要な量のワクチンを接種出来る機会が持てるワクチン接種計画を早期に導入する
  • デルタ株による感染リスクの増加の為、隔離待機施設の負荷を減らす目的で、までに全ての主要空港で、国際商業便での入国者数の上限を一時的に現在の値より50%削減する
  • ロックダウンは最終手段としてのみ使用
  • (ダーウイン隣接の)ハワードスプリング施設での帰国後の隔離滞在数を増やすべく、連邦政府がダーウイン到着の国際商業便の増線を促進する
  • 国際商業便の減便で影響があるとされる 国際貨物の重要供給ラインを連邦政府がIFAM (International Freight Assistance Mechanism)経由でのサポートを増やして維持する
  • ワクチン接種済帰国者を対象に自宅待機を含む現在とは異なる帰国後の隔離待機方法を試験的に導入
  • 商業機関による学生ビザ、商用ビザ保持者の条件付き受け入れトライアルの拡大
  • AIR(オーストラリア予防接種登録)の発行するメディケアのワクチン接種証明の承認と採用
  • 国境でのワクチン接種証明の認証方法の確立
  • ワクチン追加摂取計画の準備
  • 帰国者用のホテル隔離ネットワークの見直し

フェーズ B: ワクチン接種後フェーズ (Post Vaccination Phase)

COVID19が原因で入院や死亡に繋がる重大な病状の最小化

次の様な対策を含む:

  • ワクチン接種済みの住民限定の規制緩和
  • ロックダウンは非常時に入院患者や死者の急増を防ぐ目的に限る
  • ワクチン未接種の帰国者の上限を以前の数に戻して、ワクチン接種済み帰国者数はより多い上限にする
  • 隔離待機施設の供給数に応じて学生ビザ、商用ビザ、人道ビザ保持者の入国を上限数付きで許可
  • ワクチン接種済み住民が帰国する際の略化された隔離待機方法の導入 (自宅での隔離滞在など)
  • ワクチン追加摂取計画の準備又は実行

フェーズ C: 強化フェーズ (Consolidation Phase)

他の伝染病の公共衛生管理と一貫性のあるCOVID19の管理

次の様な対策を含む:

  • (COVID19による)ロックダウンの廃止
  • ワクチン追加摂取計画の実行
  • ワクチン接種済み者の国内移動制限の免除
  • ワクチン接種済み帰国者数の上限の廃止
  • 学生ビザ、商用ビザ、人道ビザ保持者の入国数の上限の増加
  • ワクチン接種済み者の出国制限の解除
  • 制限なしで渡航出来るトラベルバブル対象国(シンガポールや太平洋の国々など)の拡大

フェーズ D: 最終フェーズ (Final Phase)

他の伝染病の公共衛生管理と一貫性のあるCOVID19の管理

次の様な対策を含む:

  • ワクチン接種済み渡航者の隔離待機無しでの入国を上限数無しで許可
  • ワクチン未接種の渡航者の渡航前と後のテスト結果次第での入国を上限数無しで許可

みたいになります。。


特に、いつまでにといった時間的な制約はなく、国民のワクチン接種が前提で、摂取の状態でフェーズが進んで行く感じになっています。

又、各フェーズの対策は「次の様な対策を含む:」と訳しましたが、原文だと「Measures may include:」と頭に書いてあるので、必ずしも書いてあるままに実現するとは限らないという書き方になっています。

フェーズBでは学生ビザ保持者の受け入れが試験的に始まるみたいなのとフェーズCでは学生ビザ保持者の入国数の上限の増加も視野に入っています。 又、フェーズCではワクチン接種済みであれば出国制限の解除になりそうなのでフェーズCでやっと永住権保持者でも普通に日本に帰国出来る可能性も出てくるかと。


個人的な解釈

衝撃なのは、現時点のフェーズAで、ロックダウンは最終手段 (last resort) となっているので、ナショナルキャビネットの方針としては、今後はサーキットブレーカーという意味でのロックダウンは無いという事になると思います。。

市中感染の確認直後は、マスク着用の義務付けなどの規制は出るとは思いますが、ロックダウンは直ぐにせず、『最終手段』になるまで待つのだと思いますが、でも、「最終手段」の定義が明確ではないので実際にはどの状態でロックダウンになるかは疑問になります。 フェーズBのロックダウンでの基準が入院患者や死者の急増を防ぐ目的とあるので、フェーズAではそれ以前の段階でロックダウンになるのだと思うのですが。。 そうなるとフェーズBのロックダウンは『最終手段』にならないと思うのでもしかしたらフェーズBのタイミングが「最終手段」なのかもしれません。。。(?)

どっちにしろ、フェーズAではロックダウンにはすぐならないので、返ってロックダウンになった場合は数日ではなく、去年のメルボルンでのロックダウンの様に長期戦になる様な気もします。。

。。。早くフェーズBに移行してもらいたいものですが。。。

因みに、ワクチン接種済みか否かで、移動の自由がかなり変わる国家計画ですが、健康上の理由でワクチン接種が出来ない人の行動が制限されてしまうのも今後波紋を呼びそうな気もします。。


オーストラリアでのワクチン接種

オーストラリアではオーストラリアではアストラゼネカ製とファイザー製の2種類のワクチンの接種をしていて、モルデナ製ワクチンは現時点ではまだ認可されていません。 又、従来のタンパク質系ワクチンのアストラゼネカ製ワクチンはオーストラリア国内でもライセンス生産をしていますが、mRNAワクチンのアストラゼ製ネカワクチンは国内で生産出来る設備が無いので100%輸入となっています。

オーストラリアでは、当初、どのワクチンがCOVI19に本当に有効なのかは不明な状態で政府がワクチン購入の段取りをしていて、アストラゼネカ製とファイザー製の2種のワクチンの購入権を獲得した時点ではどの政治家もメディアも批判はしていなかったと記憶しています。 でも、結果的には、アストラゼネカ製ワクチンでは低い確率で血栓が出来る副作用が確認されて、接種対象が50歳そして、60歳までと引き上げられた事で (付けのABCニュース)、60歳以下の人口はファイザー製ワクチン一択になってしまい、国内の40歳以上の人口を対象に接種を進めているタイミングで接種に必要なワクチンが一時的に足りない状態になった様です (付けのTheGuardianの記事)。

そうなると重箱の隅をつつくかの様に野党政治家やメディアが批判を始めましたが、それなら政府が2種類のワクチンの購入に踏み切った時点でなんでその批判をしなかったのかと、今回は政府に少しだけですが同情しました。。。😇😇

オーストラリアの保健省のサイトにオーストラリアのワクチン接種の進み具合を公開しているページ『Australia's COVID-19 vaccine rollout』がありますが、付けの結果は次の様になっていました。

7月2日付けのオーストラリアのワクチン接種数
付けのオーストラリアのワクチン接種数

右上にあるグラフが性別と年代別で接種状態を表していますが、灰色の部分がワクチン未接種者数になっています。 このグラフによると65歳以下は未だに50%以上が未接種で、2回目の接種をした数もかなり低い率にとどまっています。。


40代以上のワクチン接種が完了して、早く、40代以下のワクチン接種が始まる事を祈るばかりです



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