SA州「サーキットブレーカー 」ロックダウン、でも、
世界で一日あたり65万人余りのCOVID-19の新規感染者数が報告され、日本国内でも毎日2500人余りが確認され、最多記録が毎日更新されている現状 () ですが、オーストラリアではメルボルンのの始めからの約3ヶ月にも渡ったハードロックダウンも末に終わり、全国の新規感染者数は海外からの帰国者を含めても先週までは15人以下という数字が続いていました。
アデレードのあるサウス・オーストラリア(SA)州、以降、長い間、州内での大きな感染事例が報告されていませんでしたが、1週間前ほどに市中感染(地域感染)クラスターが発見され、には18人の新規感染者が確認されて (👉📃ABCニュース、📃BBCニュース)、 急遽、の夕方に、からの6日間のハードロックダウンがSA州に発令されました (👉🎬のSA州首相の会見、 「Emergency Management (COVID-19) (Stay at home no 2) Direction 2020」)。
サーキットブレーカー (Circuit Breaker)
SA州は今回の6日間のロックダウンを『サーキットブレーカー』と呼んでいますが、買い物に行けるのは1世帯あたり1日1人まで、家の敷地外での運動なども禁止といったかなり厳しい条件付きでした。 SA州では濃厚接触者だけでなく、濃厚接触者の濃厚接触者も隔離するという方針を執っていて「ダブルリングフェンス」と呼んでいるみたいですが、今回の感染事例の潜伏期間が24時間と短い為、6日間のハードロックダウンで人の動きを規制して感染経路の把握を確立させて感染拡大を食い止めたいという事だそうです。
シンガポールで行われたからまでの2ヶ月弱のロックダウンにも「サーキットブレーカー」という名前が使われていたみたいです (📃CNA、📃Clyde&Co)。
インターネットには「サーキットブレーカー(ソフトロックダウン)」などと説明しているサイトもあるみたいですが、「サーキットブレーカー」の英語の意味は「電気回路に使われるフーズ」の事で、電流の異常な通電状態続く場合にブレーカーが作動して回路をシャットダウンして異常な状態をストップして回路を守ります。
なので、シャットダウンをして市中感染を食い止めるという意味で、必ずしもソフトロックダウンという意味はなく、又、今回のSA州場合では、隣国ニュージーランドで割と頻繁に行われている、短期のハードロックダウンを意味して使われています。
10月のイスラエルでのシャットダウンも「サーキットブレーカー」と呼ばれているみたいです (📃inews、📃The Guardian)。
SA州の保健省の発表では、に80代女性の感染経路不明の感染確認に始まって、感染経路追跡の結果、ウイルスのゲノム情報が、アデレードのホテルで自己隔離中にCOVID-19感染が確認されたUKからの帰国者のウイルスのゲノムと一致したのと、80代女性の身内の一人が同じホテルでクリーナーとして働いていて感染が確認されたという事で、帰国者隔離ホテルが感染源という見解になっています。 その時点までに確認された感染者の大半は、感染の症状が軽いか、無症状で、これまで2~3日と言われていた潜伏期間も24時間かそれ以下という短い期間で次の感染を引き起こしているそうで、感染経把握の難しさが懸念される様です。
これに加えて、上記のホテルのクリーナーが実はピザ屋でも働いていて、同じピザ屋でピザを注文して持ち帰って食べたという男性が感染したという話が出て来て、事態は深刻化。 これ以上市中感染を広めない為にも、(日本では絶対にありえない) 早い段階で今回のロックダウンに踏み切ったそうです (👉📃ABCニュース)。
この感染経路の把握を目的としたから6日間のシャットダウンですが、メルボルンで施行された夜間外出規制は無いものの、一般の学校は閉校、一部の業種を除いて仕事の為の外出禁止、買い物は1世帯あたり1日1人まで。 メルボルンのハードロックダウンでは許可されていた、家の敷地外での運動も不可、カフェ/レストランの持ち帰りも不可という規制になっていました (のSA州首相のfacebook投稿)。
因みに、からはSA州からWA州へ移動する際に必要だった2週間の自己隔離期間が撤回されていましたが (👉📃ABCニュース)、この感染クラスターの発見でウエスタン・オーストラリア(WA)州に旅行中のSA州からの旅行者が、旅行先で突然2週間の自己隔離を強いられる事になったそうです。
でも実際は!!
20日の報道によると、19日の夜にSA州の警察が、ピザを注文して感染したという男性客に改めてインタビューをした処、実は客というのは嘘で、ピザ屋で働いていた従業員だったのが発覚。。😇😇😬
当初は、従業員の感染が確認されているピザ屋でピザを注文して持ち帰って食べただけの客が感染したという事で、ピザの箱などに付着したウイルスからの感染した事例だとすると、他にも同じ様な事例が発見されるのかと心配されていましたが、実は感染者の濃厚接触者だったという事で、20日になって、これまで6日間だったSA州のロックダウンが3日間に短縮されて、 にSA州のロックダウンが終了する事が改めて発表されて、外での運動も一人又は同じ世帯の住人となら可能という規制に和らげられました (🎬のSA州首相の会見、 「Emergency Management (COVID-19) (Stay at home no 3) Direction 2020」)。
翌日、21日のSA州の会見では、州首相は「ロックダウンは緩和されたが、まだ安心出来ない」と公開されているホットスポットを訪れた人は検査を受ける様にと呼びかけていました。 又、同じ会見で保健省のN.Spurrier氏はホテルのクリーナは部屋の客とは直接接触していないので表面感染の可能性が確認される数少ない事例で世界的にも重要な事例になると説明していました。 加えて、ロックダウンに踏み込んだのはピザからの感染だけが要因だけではなく、他の要因も含めて総合的に必要だったと、(個人的な見解ですが) なんとなく「1人の嘘に踊らされたロックダウンではない」という説明も含む感じの会見でもあった様な気がしました (🎬のSA州首相の会見)。
現時点では、SA州警察は嘘をついたピザ屋の従業員の刑事責任を追及はしないみたいですが、ネット上では色々と個人情報の推測がされている模様で、21日の午前中にはメディアは海外留学が卒業後にもらえる就労が可能な「Temporary Graduate Visa」を持つ元学生でビザも12月まで有効という説明をしていましたが、午後には「36歳のスペイン系」という情報まで付け加わって報道されているので、今後、醜い事件などに発展しない事を祈ります。。
終わりに
そもそも、帰国者が自主隔離用に使っているホテルという感染リクスの高い職場の従業員が、他の職場で他の人と接触の機会のある副業をしているという時点で間違いがあると思うのですが。。 これは以前、タスマニア州で複数の高齢者施設で仕事の掛け持ちをしていた介護士が感染を広めた事例と類似する事なので、「学んでないの?」といった感じなのですが、3度目の正直に期待するしかないのかと。。
あとがき
オーストラリアの首相やビクトリア州首相だと会見の記録が「Medeia Release (~プレスリリース)」として国又は州の関連サイトに活字で記録されていますが、SA州首相の場合はSA州首相のサイトにある「Medeia Release」のページでは活字化された記録は公開されておらず、別の「Social Media」のページに州首相のフェイスブックのアカウントに投稿されている会見のビデオへのリンクがリストされているだけでした。 今回内容の確認の為、何度かビデオを再生しましたが、活字になっていないので内容の検索も出来ず、ビデオを始めから再生していかないといけないので、単に過去のビデオが蓄積されているだけなのも情報媒体としての意味では問題ですね。。
以降、で22日間、新規感染者ゼロのメルボルンですが、のニュースで、メルボルンの南西部のアルトナ地区近郊の汚水検査で分のサンプルからCOVID-19ウイルスが検出されたので少しでも症状がある人は検査に行く様にと呼びかけています。 是非、大事にならずに終息してもらいたいです。。。
追記
この呼びかけで、多くのPCRの検査が行われたみたいですが、結局、陽性結果は確認出来ず、「過去のウイルス感染者が体内に残っているウイルスを排出(Viral Shedding)している人がいて、それが汚水検査に出たのだろう」と片付けられました (📃news.com.au、📃Hitz939) が、それ以降、までは、ビクトリア州では市中感染は見つかっていません
追々記 ()
で、SA州では最後に確認された州内の市中感染の事例から28日間が経つことから、SA州は「州内のCOVID-19の市中感染は終息した」という見解発表をしました (🎬9 news.com.au: 付けSA州の記者会見の一部、📃SA州健康省の付け最新情報)。
: | : |
「オーストラリアの海外留学生の受け入れは。。」 | |
「『COVIDSafe』 オーストラリアの濃厚接触者追跡アプリのその後」 | |
「さようなら シャークフィン・ハウス (今更)」 | |
「SA州「サーキットブレーカー 」ロックダウン、でも、」 | |
「メルボルン28日から再開店 (第3ステップへ移行)」 | |
「崩れゆくナショナル・キャビネット?」 | |
「メルボルン再開へのロードマップ + 大惨事事態」 | |
: | : |
コメント
コメントを投稿